「フェルミ推定」とは何か
活用タイミング特定や調査が難しい市場規模や数量を短時間で概算したい時
論理的に仮説を提示したい時
フェルミ推定とは、特定できない数や調査することが難しい数などを論理的に推論して概算する思考術のことです。一時期Googleや大手企業の試験などで実際に使われたことで有名となった理論です。そのため就職活動の際に一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
1983年にノーベル物理学賞を受賞したイタリアの物理学者エンリコ・フェルミの名前に由来しています。精密に調査をする前に、計画の概要や方向性を考える際にも有効です。
いくつかの手掛かりを元に前提条件を設定して、論理的かつ短時間に概算する
フェルミがシカゴ大学の学生に出題したと言われる「シカゴには何人のピアノ調律師がいるか?」という有名な例をもとにフェルミ推定の活用方法を確認してみましょう。
他にもフェルミ推定の例題で有名なもに以下のようなものがあります。
・日本のマンホールの数は?
・飛行機の中にゴルフボールをいくつ詰め込めるか?
・1日に世界中で食べられているピザの枚数は?
などなどです。
フェルミ推定を行うための前提知識
特定できない数などを推定するための「フェルミ推定」ですが、推論するためには前提情報を仕入れておく必要があります。何を推定するかによって必要となる知識は異なりますが、以下の情報はひとつの参考になると思われます。
■日本の統計
・日本の総人口 ・平均寿命 ・就業者数 ・各世帯 ・仕事 ■世界統計 世界の総人口:約78億人 |
前提情報を覚えなければ問題が解けないわけではありません。ただし、推論するために確信の持てる情報量を多く持ち合わせている方が、根拠のあるフェルミ推定を行うことができます。
採用面接でよく出題されたが今後は
フェルミ推定は知り得る一般常識を基に、論理的に答えを見つけ出そうとするフレームワークです。そのため、グーグルやマイクロソフトで一時期採用試験で用いられてきました。
ただ、NYTの2013年6月19日付インタビューで、グーグルで人事担当の上級副社長ラズロ・ボック氏が、「この種の質問を解き明かす力と、将来業務で発揮できる能力やIQの関連性に疑念が生じた」との理由から、時間の無駄に過ぎなかったと言い切ったのです。
それによって一時期ブームとなったフェルミ推定問を用いた採用試験は日本でもあまり行われなくなりました。
ただし、得られる情報を基に論理的に予測を立てる能力は、コンサルタントや、マーケターにとっては必要な能力であることに間違いはないでしょう。
もし就職活動をされている方は、自分が希望している業界の基礎情報は仕入れておく方が良さそうです。
ワンポイント
- いきなり答えを出そうとせず、自身の持ち合わせる情報を元に仮説を立てる。
- 得られた数値と仮説思考を併用するとより効果的。
- 推定する際に活用しやすい事前に基礎情報を仕入れておく。
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