タスク管理方法「GTD」を利用して、仕事のストレスを減らす

 ■フレームワーク

「GTD」とは何か

活用タイミング

膨大な業務量を前に、どの作業から手をつけていいか分からず混乱してしまっている時

業務量が増えタスク管理や優先順位付けがうまくいかない時

効率的なToDoリストを作りたい時

GTDとは、アメリカの生産性向上コンサルタントであるデビッド・アレン氏が「Getting Things Done」という著書で提唱したタスク整理術です。

「物事をやり遂げる」という意味の著書“Getting Things Done”の頭文字が語源となっています。

ストレスが少なく、かつ効率よくタスク管理をするのに適しているとして広まりました。

ナレッジワーカーにとって、次々に降りてくる業務に優先順位をつけてこなしていくことはとても重要です。ただ、多くの業務量を前に、重要度の違いや関係各所との連携などを鑑みると、それぞれのタスクに優先順位をつけ管理することは非常にエネルギーを使います。

また、頭の中が「後で行いたい事」や、「必ず直ぐに処理する必要のある作業」などでゴチャゴチャな状態だと、脳は「あれもやらなければ、これもやらなければ」とタスクを忘れないよう記憶することにエネルギーを消費してしまい、目の前の作業に集中することができません。

そのような場合にGTDの手法を用いて対応することができます。

 

マルチタスクは非効率

”マルチタスク(複数の作業を同時に処理する能力)”は仕事ができる人の特徴のように世間一般に使われています。実際、仕事をしていると同時並行で処理する必要のある業務も出てくるはずです。ですが、マルチタスクを本当に効率よくこなすことができる人は少数で、ほとんどの人は逆に非効率になってしまうと言われています。

事実、複数のタスクを効率性や質を低下させずに同時進行できる人は、全人口のわずか2%しかいないという研究結果があります。また、マルチタスクを行うとIQが低下するという研究結果もあるようです。

あなたが上司から「マルチタスクを意識して作業しろ」など言われることがあったとしても、その上司も質の悪いマルチタスクしかできてい可能性が高いです。

では、マルチタスクの非効率さを体感するために以下の2つの作業を行ってみてください。
まず5つの数字を覚えます【3、9、7、1、5】。これなら誰でも簡単に覚えておくことができるはずです。
次に3つの簡単な計算を行います、その際のポイントは先ほど覚えた5つの数字を忘れないように計算してください【15+3、47-9、66+7】。
計算が終わったら、最初に覚えた数字5つを思い出してみてください。
恐らくほとんどの人は5つの数字を思い出すことはできたとおもいます。ですが、簡単な計算をしただけにも関わらず、脳の疲れを感じてたのではないでしょうか。

これがマルチタスクをするときに起きている非効率な原因のひとつです。

 

GTDの5つのステップ

マルチタスクの非効率さを避けるために、意識して”シングルタスク”を行う必要があります。その際、意識的にシングルタスクに切り替える方法が以下の5つのステップです。

GTDでは5つのステップで業務タスクをマネジメントしていきます。

①収集(把握する)

「気になっていること」「やるべきこと、やりたいこと」を全て書き出す。

やるべきこと、やりたいこと」は、とりあえず紙などに書き出して頭の外に追い出します。複数のタスクを記憶し忘れないようにしつつ、ほかの作業を処理することは、脳のエネルギーを多く消費するだけでなく、目の前の作業に集中できなくなってしまいます。

②処理(見極める)

書き出した項目について、仕分けのルールを決めて仕分け、リストにする。

「やるべきこと、やりたいこと」を書き出したリストの中から見極める際重要なことは、まずは最優先となる1つのこと以外はやならないと決めることです。マルチタスクは集中力や業務効率を著しく悪化させます。重要なこと以外は順にこなしていく前提で後に回します。作業内容ごとにどのように処理するのかルールを決めるのがこのタイミングです。

③整理(整理する)

作ったリストを、使い慣れたツール(手帳・メモアプリ・リマインダー)にまとめる。

リストの整理のタイミングで、書き出した全てのタスクの中から不要なものは削除していくのもこのタイミングです。また期日指定のあるものや、すぐに完了するもの(軽微な作業)などのこのタイミングで優先順位をつけていきます。

④レビュー(更新する)

自分が置かれている状況や現在の余力を把握して、今何ができるかを考える。

優先順位に沿って作業を進めたとしても、新しい業務が降りてくることもあるはずです。定期的に状況を把握しつつ改めてリストが正しい優先順位付になっているか更新を行いましょう。PDCAを回す場合、リストの把握と更新は継続していく必要があります。

⑤実行(選択する)

今できることの中で優先順位の高いものから実行していく。

「やるべきこと、やりたいこと」の優先順位をつけたリストが完成しているはずです。このタイミングではタスク優先度が明確になっているため頭の中がスッキリした状態で業務に臨めるはずです。

 

 

GTDは頭の中にざっくり詰め込まれている「気になっていること」を脳の外に出し、整理することで「やるべきこと」をシングルタスクにして集中する手法です。仕事中に気になった些細な事、頼まれた業務なども含めて頭の中にある「気になっていること」をすべて書き出してマルチタスクになることを避けることができます。

「気になっていること」が溢れた頭の中を整理することで集中力を高め、仕事の効率化をはかることがGTDの目的です。活用する事でストレス少なく仕事に望むことができるでしょう。

 

ワンポイント
  • 頭の中にある気がかりを一旦全て書き出す事でストレスなく目の前の作業に集中することができる。
  • 5つのステップを繰り返す事で作業の循環を行う。

 

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