PDCAサイクルはもう古い?OODAループとは?その活用方法

 ■フレームワーク

「PDCAサイクル」とは何か

活用タイミング業務効率や商品の品質向上を図りたい時
前例を元に、事前に計画を立てることができる時
現場の意見を業務フローに取り入れたい時

PDCA (ピーディーシーエー)とはPlan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとったもので、業務の効率化を目指す方法の1つです。

計画して実行、で終わりにするのではなく、計画通りに実行されたかを確認し問題があれば見直す。計画・実行・評価・改善の流れを1つのサイクルとして繰り返します。

もともとは品質管理の研究をしていたアメリカの学者によって1950年代に提唱されたものですが、さまさまな業種のマネジメント手法として取り入れられました。このサイクルを循環させ続けることで、さらなる業務効率の改善や商品・サービスの品質向上が望めます。螺旋の様にPDCAサイクルが上昇 (スパイラルアップ)していくイメージです。

 

OODAループとは

活用タイミング状況に合わせて機敏で柔軟なアプローチを行いたい時

計画を立てる時間や余裕がない時
前例がなく、まず実行して検証が必要な時

OODA(ウーダ)とは、 「Observe(観察)」、「Orient (状況判断、方向づけ)」、「 Decide(意思決定)」、「Act (行動)」の頭文字をとったものです。目標を達成するための要素を4つの段階に分けて成功に導く方法を示しています。

OODAは、アメリカで生まれたビジネスビジネスメソッドで、もともとはアメリカ空軍パイロットの軍事戦略から⽣まれた考えです。特に、イラク戦争時にその有用性が実証され大きく注目されました。その後日本でもビジネスの現場でも一気に応用が広がっています。

OODAとPDCAの違いは?

従来ビジネスの現場において、目標達成のために使われるメソッドしてよく知られているのがPDCAです。⽇本でPDCAは非常に知られたフレームワークですが、OODAは今まで耳にする機会がありませんでした。最近になってようやく注目を集めてきましたが、アメリカでは昔から組織を運⽤するにあたり、PDCAに並ぶスタンダードな手法として用いられていました。

PDCAとOODA違いは、どこにあるのでしょうか。

はっきりとした違いは、PDCAに比べてOODAは戦場から生まれたとても俊敏性に優れたメソッドということです。刻々と状況が変化する前線では、一瞬の遅れが死につながるため都度司令本部の指示を待ってはいられません。そのため、PDCAよりもOODAの方が状況に合わせながらスピード感を持って進行することができるのです。
また、計画 (Plan)から始まるPDCAとは異なり、計画を立てる時間や必要性がない場面を想定して開発されているという点も異なります。ビジネスにおいて、変化の激しさから知見がすぐに陳腐化する業界や、前例のないサービス展開などでOODAが有用です。

 

業種や状況によって使い分ける

PDCAとOODA違いは、どこにあるのでしょうか。PDCAは古いフレームワークで現代社会には適さないのでしょうか。

そういうわけではありません。ただし、PDCAが適する業界もあれば、OODAの方が適する業界もあるということになります。

例えば、製造業などではPDCAの方が有用だといえます。当初立てた計画 (Plan)がスタートとなり、進行中の管理・監視が最重要視されるためプロセスが重要視されます。過去の実績を基に計画が立てやすい業界 (業種)ではOODAに比べて、PDCAの方が計画性を持ってプロジェクトを進めることができ進捗を把握しやすくなるというメリットがあります。

その反面、OODAは初めに計画するのではなく観察やそれにともなう状況判断に重きを置いています。そのため、過去の前例がない業界や、流れの速い業界で力を発揮する手法です。過去の実績を基に計画が立てづらいスタートアップの企業や、競合が少ないブルーオーシャンのサービス展開で用いることができます。

PDCAもOODAも、業界によって現在でも優れたビジネスメソッドあることに変わりはありません。
状況に合わせてPDCAとOODAの両方をうまく活用しながら、ビジネスを進めて行くことが最適だと考えられます。

 

ワンポイント
  • PDCAは必要な行動を逆算して計画を設定することが可能。1度だけの実施ではなく、繰り返しサイクルを回すことでスパイラルアップを行う。
  • OODAの重要なポイントは状況の観察から始めるということ。変化し続ける状況を把握してから決断することができる。

 

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