「カチッサー効果」をうまく利用して依頼上手になる

 ■行動心理学

「カチッサー効果」とは何か

 

カチッサー(カチッ・サー)効果とは、ある働きかけによって、深く考えずに行動を起こしてしまう心理現象のことです。
ハーバード大学の心理学者のエレン・ランガー氏の1970年に行った「コピー機の実験」によって実証されました。

どの様な実験かというと、順番待ちをしているコピー機の一番先頭の人に対して、3通りの言い方で「先に5枚コピーをさせてほしい」とお願いをするというものです。

  1. 要求のみを伝える:「すみません、5枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」
  2. 真っ当な理由を付け足す:「すみません、5枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
  3. 適当な理由を付け足す:「すみません、5枚なのですが、コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」

上記の様に、少しお願いの方法を変えることで【1.要求のみ】のときの承諾率は60%だったのに対し、【2.真っ当な理由を付け足す】のときの承諾率は94%と高くなりました。

ただ、予想外の結果となったのは、
「すみません、5枚なのですが、コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」という【3.適当な理由を付け足す】の承諾率が93%と高かったことです。
列に並んでいる人は誰でもコピーを取ろうとしているのは当たり前であり、コピーをとらなければいけないというのは全く理由になっていないにも関わらずです。

※カチッサーの語源はテープレコーダーの再生ボタンのカチッという音と、砂嵐のサーという音から来ています。

 

どんな理由だとしても、理由があるだけで影響を与える。

理由があるだけで周りからの承諾を得やすくなることは一般論として理解ができます。ただ、その理由が全く意味をなしていなくても「○○なので」と付け加えるだけで、行動が正当化されることは驚くべきことです。

人間は、理由がわからないことに対して不安や疑問、イライラを感じます。そのため、適当な理由があるだけでも安心して、感情や判断に影響を与えるのです。

そのため、何かを頼む時に単に「○○してもらえますか?」と言うよりも「○○なので、○○してもらえますか?」と理由をつけることで承諾率が高くなったと言えます。

 

まとめ理由を添えることで人間は安心する。「○○なので」という言葉は、相手からの承諾を得やすくすることができ、ビジネスの場でも有効である。

 

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