「能力の輪」を見極めると最高のパフォーマンスを発揮することができる

 ■行動心理学

「能力の輪」とは何か

 

人間は、自分の「能力の輪」の内側にあるものはとてもよく理解できる。だた、「能力の外側」にあるものは理解できない。あるいは理解できたとしてもほんの一部だ。

かの有名投資家のウォーレン・バフェットは、能力の輪という素晴らしい表現を用いています。これは、自分が最大限の能力を発揮することができる境界線(専門領域)のことです。

バフェットは人生のモットーとして「自分の『能力の輪』を知り、その中にとどまること。輪の大きさはさほど大事じゃない。大事なのは、輪の教会がどこにあるのかをしっかり見極めることだ」と言っています。

バフェットのビジネスパートナーのチャーリー・マンガーはこのようにも補足しています。「自分に向いているなにかを見つけることだ。自分の『能力の輪』の外側でキャリアを築こうとしてもうまくいかない。」

また、IBM創業者のトム・ワトソンも自身についてこのように述べています。「私は天才ではない。私にはところどころ人より優れた点があって、そういう点の周りからずっと離れないようにしているだけだ。」

 

能力の輪を超えないことが大切

好条件で魅力的な依頼が来た時、自分が得意でない分野だとしても受けるか迷うことがあるかもしません。ただ、そのような場合も自分の「能力の輪」を意識しながらキャリアを築くことが大切です。

もし自分にふさわしくない依頼の場合、無駄に労力や時間使うだけではなく、挫折感を味わい、大きな結果を残すことができません。自分にふさわしくないと思えばきっぱりと断るようにする。自分の「能力の輪」超えないようにすることが重要です。

魅力的な依頼を受けた時に、自分の能力の輪を「超える」ことと同じように、能力の輪を「広げたくなる」誘惑があります。世間一般的には、自分の能力の可能性を広げる考え方はポジティブに捉えられていますが、「能力の輪」の考えでは避けた方がよいとしています。

人間の能力は、ひとつの領域から次の領域へと「転用」が利くわけではない。からです。

 

能力の輪の形成に必要なもの

自分が最大限にパフォーマンスを発揮できる「能力の輪」を作り上げるためにはどうすればよいでしょうか。

それは、「時間」「執着」です。

若い頃のビル・ゲイツは、プログラムを組むことに執着していました。スティーブ・ジョブズはカリフラフィーとデザインに執着していました。また、ウォーレンバフェトは12歳の時に初めておこずかいで株を買ってから投資に執着しはじめました。

彼らは、それらに執着して何千時間も費やしたからこそ、その分野のエキスパートになったのです。

 

「能力の輪」に目を向ける

成功者は「能力の輪」の存在を心得ています。なぜ「能力の輪」を知ることが人生の成功につながるのでしょうか。

それは「能力の輪」の領域内で行われるパフォーマンスと、領域外のパフォーマンスとでは何倍もの差があるからです。

平均的なプログラマー(能力の輪の領域外)と、素晴らしいプログラマー(能力の領域内)とを比較して考えた時に、素晴らしいプログラマーは平均的なプログラマーの1000分の1の時間で問題を処理することができるでしょう。同じことが、弁護士にも、外科医にも、デザイナーにも、様々な業種の人に当てまはります。

自分が不得意とする仕事を行っている時は、まるで嵐の中にいるかのようです。次に現れる障害の予想がつかず慌てふためくこともあるでしょう。
ただし、穏やかなそよ風がそよいでいる場所があります。それは、「能力の輪」の内側です。自分の「能力の輪」の内側でなら、間違った思い込みや考えちがいに対しても適切な対応処置が取れます。それどころか、従来の習慣を打ち破るようなリスクを冒すこともできるでしょう。

「能力の輪」の内側では、必要なだけ先を見通し、その後に起こる事態を予測することができるからです。

 

まとめ自分に不足している能力に不満を感じるのをやめましょう。

大切なことは「ひとつの分野」で抜きん出ていることです。「能力の輪」の中で行われる最高のパフォーマンスはすべての欠点を打ち消し、成功をもたらしてくれます。

 

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